『青の6号』とは?GONZO制作OVAの原点となる小澤さとるの海洋冒険SF
1990年代後半、GONZOによって制作され、フルデジタルアニメの先駆けとして世界的な評価を受けたOVA『青の6号』。その原作となるのが、小澤さとるによる海洋冒険SF漫画の金字塔である本作です。
全3巻というコンパクトな構成ながら、OVA版とは設定もストーリーも大きく異なる、熱い「昭和の少年漫画」としてのエンターテインメントが凝縮されています。海洋冒険ロマンの原点として、今なお色褪せない魅力を持つ名作です。
国際組織「青」対テロ組織「マックス」!『青の6号』のあらすじ
物語の舞台は、第二次世界大戦後の世界。潜水艦による海中航路が飛躍的に発達した時代において、その航路の安全を守るために結成された国際組織が「青(ブルー)」です。彼らの前に立ちはだかるのは、海中からの世界征服を目論む謎のテロ組織「マックス」。
本作の主役艦となるのは、国際組織「青」に所属する日本籍の潜水艦「青の6号(くろしお号)」です。決して最新鋭とは言えない旧式艦ではありますが、歴戦の勇士である艦長と若き精鋭クルーたちがその性能を極限まで引き出し、「マックス」が繰り出す数々の驚異的な兵器に立ち向かいます。海中という極限環境で繰り広げられる、息詰まる攻防戦が見どころです。
原作漫画版『青の6号』が持つ3つの魅力
独創的!小澤さとるが描くレトロフューチャーな潜水艦メカニック 本作の最大の魅力は、著者・小澤さとるが描く独創的なメカニックデザインにあります。主役艦である「青の6号」をはじめ、登場する潜水艦たちは、どこか愛嬌のある丸みを帯びたフォルムでありながら、リアリティを感じさせる機能美を兼ね備えています。現代の視点で見ると「レトロフューチャー」とも呼べるそのデザインは、メカ好きの心をくすぐる独特の味わいがあります。
OVA版とは別物!熱血艦長と少年たちが織りなす王道冒険活劇 OVA版から入った読者が最も驚くのは、その作風の違いでしょう。OVA版はシリアスで重厚なポストアポカリプス作品でしたが、原作漫画は、熱血漢の艦長と少年パイロットたちが協力して悪に立ち向かう、王道の少年冒険活劇です。敵組織もゾーンダイクではなく、秘密結社「マックス」として描かれており、全く別の並行世界として新鮮な気持ちで楽しむことができます。
時代を先取り?サイボーグや生物兵器が登場するSF世界観 執筆当時の想像力が生み出したSFギミックの数々も必見です。巨大な「潜水戦艦ヤマト・ワンダー」や、怪潜水艦「ムスカ」といった敵メカのインパクトは絶大。さらに、サイボーグ技術や生物兵器を思わせるアイデアも盛り込まれており、単なる潜水艦バトルにとどまらない、バラエティ豊かなSF的展開が読者を飽きさせません。
往年のメカ好きやOVAファンにおすすめ
OVA版『青の6号』を知っていて原作未読の方 アニメ版とはキャラクターも敵の設定も大きく異なります。「もうひとつの青の6号」として、原作ならではのオリジナルの物語を楽しみたい方に最適です。
『サブマリン707』など昭和の戦記・メカ漫画ファンの方 小澤さとる作品のファンはもちろん、緻密なメカニック描写と熱い人間ドラマが融合した、往年の名作戦記漫画が好きな方にはたまらない一作です。
レトロなSFデザインや潜水艦戦にロマンを感じる方 CGでは表現しきれない、手描きならではの味があるメカ描写や、ロマンあふれる海中戦の世界観に浸りたい方におすすめです。