『バオー来訪者』とは? 荒木飛呂彦の原点にして傑作SFバイオレンス
『ジョジョの奇妙な冒険』で世界を熱狂させる荒木飛呂彦先生の初期代表作にして、その才能が凝縮された傑作です。全2巻という短さながら、生物兵器としての悲哀とド派手な能力バトルが描かれた本作は、今なお多くのファンに語り継がれる「バイオレンスアクションの名作」と言えるでしょう。
あらすじ:生物兵器バオーとなった育朗とスミレの運命
秘密組織「ドレス」によって、無敵の生物兵器「バオー」を寄生させられた青年・橋沢育朗。組織に幽閉されていた彼は、予知能力を持つ少女・スミレとの出会いをきっかけに脱走を図ります。しかし、二人の行く手には組織が送り込む異形の刺客たちが待ち受けていました。育朗は自身に向けられる「殺意」を感知すると、その身を硬質化した皮膚と筋肉で覆われた「バオー」へと変貌させます。自身の意思とは裏腹に、生き残るために戦わざるを得ない悲しき宿命。逃避行の果てに二人を待つものとは——。
ここが凄い!『バオー来訪者』が評価される3つの理由
-
「バルバルバル!」ジョジョのルーツを感じさせる独特な擬音とポージング: 戦闘シーンで炸裂する「バルバルバル!」という独特の擬音や、緊迫した場面で見せる印象的なキャラクターの立ち姿は、後の『ジョジョ』シリーズに通じる荒木イズムの原石です。視覚と聴覚に訴えかけるようなダイナミックな描写は、ページをめくる手を止めさせません。
-
少年心をくすぐる多彩な必殺技(バオー・アームド・フェノメノン)の造形美: バオーが繰り出す生体兵器としての攻撃形態「バオー・アームド・フェノメノン」は、デザインの美しさと破壊力を兼ね備えています。皮膚を溶解させたり、腕を刃に変えたりと、状況に応じて進化する戦闘スタイルは、能力バトルの面白さが詰まっています。
-
ハードなSF設定に重なる、切なくも美しい「ボーイ・ミーツ・ガール」のドラマ: 単なるバトル漫画にとどまらず、人間兵器として孤独を抱える育朗と、彼を唯一理解し支えるスミレの絆が物語の核にあります。過酷な運命に翻弄されながらも互いを想い合う二人の姿は、ハードなSF世界観の中でより一層切なく、美しく輝きます。
こんな人におすすめ!全2巻で味わう極上のエンターテインメント
-
『ジョジョ』ファン: スタンド能力が登場する前の作品ですが、荒木先生特有の「能力バトルの駆け引き」や「独特のセリフ回し」の原点がここにあります。作家のルーツを知ることで、ジョジョの世界観がより深く楽しめるはずです。
-
完結作を探している人: 全2巻(文庫版なら全1巻)できれいに完結しているため、長編作品に手を出す時間がない方でも気軽に手に取れます。読み終えた後には、まるで一本の名作映画を観終わったかのような充実した満足感が得られます。
-
ダークヒーロー好き: 自らの望まぬ力に苦悩しながらも、守るべきもののために戦う育朗の姿は、まさにダークヒーローの王道です。異形の力と人間性の間で揺れ動くドラマチックな展開が好きな方には、たまらない一作となるでしょう。