『CAPTAIN RED』とは? 海賊と姫の王道ロマンスが読める傑作短編集
『花とゆめ』などで独特の存在感を放った作家・藤田貴美による、大航海時代を舞台にしたロマンティック・アドベンチャーです。かつて白泉社から刊行された名作ですが、現在は幻冬舎コミックスの文庫版(藤田貴美作品集)として、電子書籍でも手軽に楽しむことができます。全1巻の短編集でありながら、長編映画を一本見終えたような満足感と、色褪せないときめきが詰まった一冊です。
あらすじ:「海のサソリ」に攫われた「宝石の姫」プリムローズの運命
物語は、領主の娘プリムローズが、悪名高い海賊レッドに攫われるところから幕を開けます。「宝石の姫」と謳われる美貌を持ちながら、海賊相手にも一歩も引かない気高さを持つ彼女。幾度も脱出を試みては失敗し、ついには嵐の海へ投げ出されるという極限状態に陥ります。
しかし、冷酷な海賊と思われたレッドには、実は海軍提督という裏の顔がありました。敵対する立場でありながら、命懸けの航海の中で次第に交錯していく二人の視線。海賊の顔と提督の顔を使い分けるレッドと、それに反発しながらも惹かれていくプリムローズのスリリングな関係性は、まさに少女漫画の王道と言える展開です。
本作の魅力:『CAPTAIN RED』が名作と呼ばれる3つの理由
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文庫版限定!「その後」を描いた描き下ろし続編 現在流通している幻冬舎コミックス文庫版(および電子書籍版)には、本編終了後の二人を描いた描き下ろし続編が特別収録されています。単なる過去作の再録ではなく、物語の結末の「その先」にある甘い時間を楽しむことができるのは、このバージョンだけの特権です。かつて読んだことがあるファンにとっても、新たな発見があるでしょう。
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強気な姫×食えない海賊提督、これぞ王道のときめき 本作の最大の魅力は、プライドの高いプリムローズと、それを大人の余裕で手のひらの上で転がすレッドの絶妙な距離感です。ただ甘いだけではない、意地とプライドがぶつかり合う駆け引きは没入感抜群。強気なヒロインがふと見せる弱さや、食えない男が見せる本気の表情に、心を動かされます。
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藤田貴美ならではの「静熱」な心理描写 海賊や海軍といった派手なモチーフを扱いながらも、藤田貴美作品の真骨頂である、静かで熱量の高い心理描写は健在です。言葉よりも雄弁な視線の交わし合いや、余白を生かした美しい画面構成が、読者をドラマチックな世界観へと引き込みます。アクションの裏にある繊細な感情の機微こそが、本作を単なる活劇以上の名作にしています。
往年の少女漫画ファンへ! こんな人におすすめ
- 「花とゆめ」黄金期の空気が好きな人: 90年代〜00年代初頭の、骨太で物語性の高い少女漫画が持っていた独特の熱気や、質の高さを求めている方に最適です。
- 短編で密度の高いロマンスを読みたい人: ダラダラと続くことなく、1冊ですっきりと完結し、なおかつ描き下ろしで「その後」まで楽しめるため、読後の満足度が非常に高い作品です。
- 「ケンカップル」好き: 素直になれない二人が、反発しあいながらも信頼関係を築いていく過程を好む方には、たまらない一冊となるでしょう。