『E’S(エス)』とは? 90年代Gファンタジーを彩ったSF能力バトルの金字塔
結賀さとる先生による、スクウェア・エニックス『月刊Gファンタジー』の看板作品として連載されたSF能力バトルの傑作です。2003年には『E’S OTHERWISE』としてアニメ化もされました。全16巻で見事に完結しており、重厚なストーリーと魅力的なキャラクターが織りなすドラマは、今なお高い評価を得ています。
記憶と自我を巡る戦い。主人公・戒(カイ)が選ぶ未来とは
舞台は第三次世界大戦により国家が解体され、巨大企業が支配する荒廃した未来。精神力を物理的な力に変える能力者「E’S(エス)」が生まれ、人々から恐れられていた時代です。 能力者部隊「アシュラム」のエリートだった少年・戒(カイ)は、任務中の裏切りにより無法地帯「ガルド」へ漂着します。そこで自分たちを「化け物」と呼ばない温かい人々と出会い、戒は自身が信じていた「正義」に疑問を抱き始めます。義妹・明日香やガルドの仲間を守るため、かつての古巣であり圧倒的な力を持つアシュラムへと反旗を翻す、王道の少年漫画的展開が描かれています。
『E’S』が今も色褪せない3つの魅力。シリアスとギャグの絶妙なバランス
- 「自我」と「記憶」を問う重厚なテーマ: 主人公の出生の秘密や記憶の改竄など、アイデンティティを揺るがすシリアスな展開が読者を惹きつけます。SF設定がしっかりとしており、読み応えがあります。
- 重さを中和するハイテンションなギャグパート: シリアス一辺倒ではなく、結賀さとる作品特有のキレのあるコメディや4コマ漫画的な掛け合いが随所に散りばめられ、重くなりがちなストーリーの良い清涼剤となっています。
- 敵味方含め、業を背負ったキャラクターたちの群像劇: 単なる善悪二元論では語れない、それぞれの「正義」や「事情」を持ったキャラクターたちが織りなす人間ドラマは本作の大きな魅力です。敵対するキャラクターにも深いバックボーンが存在します。
『鋼の錬金術師』好きにもおすすめ!週末一気読みに最適な全16巻
- スクエニ系ファンタジーのファン: 『最遊記』や『鋼の錬金術師』など、当時の『Gファンタジー』や『ガンガン』の系譜にある作品が好きな人には特におすすめの世界観です。
- 絆と家族愛の物語を求める人: 特殊能力バトルだけでなく、血の繋がりを超えた「家族」や仲間との絆を描いた物語を求めている人には、心に響く場面が多くあります。
- 完結作品を探している人: 風呂敷がきれいに畳まれ、読後感が非常に良いラストを迎えるため、週末にまとめて読む長編作品として適しています。