『ガンヘッド』リニューアル版とは? 伝説のSF映画コミカライズが「完全版」として復活
1989年に公開された伝説のSF実写映画『ガンヘッド』。そのコミカライズを担当したのは、『サイレントメビウス』などで知られる巨匠・麻宮騎亜です。 公開から35年の時を経て、新たな描き下ろしエピローグ「終光の記憶」を追加収録した「リニューアル版」として電子書籍で蘇りました。劇中の設定年である「2025年」が現実に到来した今こそ、改めてその世界に没入すべきハードSFの傑作です。
あらすじ:無人島でのサバイバルと「507号機」との邂逅
西暦2025年、無人島「アイランド8JO」を管理する巨大コンピュータ・カイロン5が人類に対して反乱を起こした。人類は自動戦闘ロボット「ガンヘッド」大隊を投入するも全滅し、島は封鎖地区となる。
それから13年後。高価なチップを求めて島へ潜入したトレジャーハンターの青年・ブルックリンたちは、カイロン5の防衛システムにより壊滅的な被害を受ける。仲間を失い、自身も過去のトラウマから「コックピット恐怖症」というハンデを抱えながら逃げ惑うブルックリン。絶望的な状況下で彼が偶然発見したのは、スクラップの山に埋もれながらも稼働可能な状態を保っていた、ガンヘッド大隊の生き残り「507号機」だった。
『ガンヘッド』が色褪せない3つの魅力/「確率なんてクソくらえ!」
麻宮騎亜による緻密なメカニック描写 当時の少年たちの心を鷲掴みにした、無骨でリアリティ溢れるメカニックデザインは必見です。戦車モードからスタンディングモードへの変形ギミックや、重量感たっぷりのアクションシーンは、麻宮騎亜の圧倒的な画力によって緻密に描かれています。CG全盛の現代においても全く色褪せない、手描きの熱量が紙面から伝わってきます。
人間とAIの熱すぎる絆 本作最大の魅力は、コックピットに乗れないパイロット・ブルックリンと、人間臭い皮肉を言うAI・ガンヘッド507とのバディ関係です。絶望的な戦力差に対し、計算上は勝ち目のない戦い。しかし、彼らは「確率なんてクソくらえ!」と言い放ち、互いを信頼して死地へと挑みます。単なる機械と操縦者を超えた、魂の共鳴に胸が熱くなることでしょう。
リニューアル版だけの「真の完結」 旧コミックス版や映画版では語り尽くせなかった物語の「その後」が、今回のリニューアル版で遂に補完されました。新たに追加された描き下ろしエピソード「終光の記憶」は、35年という長い時間を経たからこそ描ける、深みのある結末となっています。かつて映画に熱狂したファンも、初めて触れる読者も、真の完結を見届けることができます。
『ガンヘッド』はこんな人におすすめ! SF・ロボット好き必読の一冊
80〜90年代の骨太SFファン CG以前の特撮映画が持っていた「重み」や「油の匂い」がするような世界観が好きな方に。緻密なメカ描写とハードなストーリーは、往年のSFファンの期待を裏切りません。
「人間×AI」のバディものが好きな人 種族を超えた友情や、無機質なはずのAIが感情のようなものを見せる瞬間にグッとくる方におすすめです。互いに欠けた部分を補い合う二人の関係性は、バディものの王道にして至高です。
映画版の結末を知るファン 映画版が好きだった方こそ、コミカライズ版独自の解釈と、今回加筆された新たな結末を確認してください。35年の時を超えて、作品世界がより鮮やかに完結するカタルシスを味わえます。