『.hack//黄昏の腕輪伝説』とは?アニメとは異なる「正史」の物語
浜崎達也(原作)・依澄れい(作画)が贈る、一大メディアミックスプロジェクト「.hack」シリーズの重要作です。伝説の英雄のデータを引き継いだ双子の兄妹が織りなす冒険ファンタジーで、テレビアニメ版とは異なる「シリーズ正史」の結末が描かれています。全3巻(愛蔵版は全2巻)というコンパクトな構成ながら、その物語の密度と重要性からファンに愛され続ける作品です。
あらすじ:伝説のPC「カイト」と「ブラックローズ」を継承した双子の冒険
伝説のパーティ『.hackers』がオンラインゲーム『The World』を救ってから4年後。双子の兄妹、秀悟(シューゴ)と玲奈(レナ)は、限定キャンペーンで当選した伝説のPCモデル「カイト」と「ブラックローズ」のアバターを手に入れ、意気揚々と冒険を始めます。
しかし、初心者エリアでの出来事が彼らの運命を変えます。シューゴは謎の少女アウラから、システムの理を超えた力「データドレイン」を行使できる「金色の腕輪」を託されるのです。さらに、アウラを「ママ」と呼ぶ放浪AIの少女・ゼフィとの出会いが、物語を加速させます。彼女をアウラに会わせるため旅立つ一行ですが、秩序を守るシステム管理者「碧衣の騎士団」は彼らを危険な違法PCと見なし、執拗に追い詰めます。アカウント削除(デリート)の危機が迫る中、兄妹の絆が試される冒険の幕が上がります。
本作が名作と呼ばれる3つの理由
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シリーズ正史としての重要性(アニメ版とは別物!) 2003年に放送されたテレビアニメ版とはストーリー展開や結末が大きく異なります。漫画版こそがゲーム第1作から続く「正史」のシナリオとして位置づけられており、シリーズ全体の謎やキャラクターの行く末を知る上で欠かせない「真の結末」が描かれています。
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愛らしい絵柄とハードなSF設定のギャップ 本作の大きな魅力は、依澄れい氏によるデフォルメされた愛らしくポップなキャラクターデザインです。しかし、その可愛らしいビジュアルとは裏腹に、物語の背景にはAIの自我や管理社会の粛清といったハードなSF設定が横たわっています。この「見た目の可愛さ」と「シリアスな展開」のギャップが、読者を物語の世界へと強く引き込みます。
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4年前の英雄たちが頼れる先達として登場 「バルムンク」や「ミストラル」といった、前作(ゲーム版)で活躍した伝説のプレイヤーたちが、本作ではシューゴたちを導く頼もしい先輩として登場します。かつての英雄たちが4年の時を経てどのように変化したのか、その成長や変わらぬ姿が見られるのも、シリーズファンにはたまらないポイントです。
こんな人におすすめ!短巻で完結する良質ファンタジー
- 「.hack」シリーズの原点を知りたい人 膨大な作品群を持つシリーズですが、本作は全3巻(愛蔵版なら全2巻)できれいに完結します。シリーズのエッセンスが凝縮されており、世界観の入門書としても最適です。
- MMORPGの世界観やネット特有のドラマが好きな人 ゲーム内でのチャットのやり取りやパーティプレイ、顔の見えない相手との人間関係など、MMORPGならではの空気感が丁寧に描かれています。ネットゲームをプレイしたことがある人なら、懐かしさと共感を覚えるはずです。
- 物語の全てを余すことなく楽しみたい人 現在配信されている『Complete edition』などの愛蔵版では、当時の単行本未収録短編なども追加されています。シリーズをつなぐ重要なミッシングリンクを埋めることができ、一気読みに適した構成となっています。