特撮史に輝く異色作『アイアンキング』とは?漫画版で描かれる伝説のヒーロー
1972年の放送当時、その斬新な設定で話題を呼んだ『アイアンキング』。かたおか徹治らによるコミカライズ版は、特撮ヒーロー番組の黄金期にありながら、「主役は生身の人間、変身ヒーローはあくまで相棒」という独自の構造を持つ作品です。国家転覆を企む「不知火一族」に立ち向かう静弦太郎と霧島五郎の旅路が、昭和特撮特有の熱量と哀愁を帯びた筆致で描かれています。
人間がヒーローを助ける!?型破りなあらすじ
舞台は、古代に滅ぼされたはずの「不知火一族」が、2000年の時を経て日本への復讐を開始した世界。この危機に、国家警備機構のエージェント・静弦太郎と、彼に同行する青年・霧島五郎が立ち向かいます。
本作の最大の特徴は、ヒーローと人間の特異な力関係です。弦太郎は生身でありながら「アイアンベルト」を駆使して巨大ロボットをなぎ倒す圧倒的な戦闘力を誇ります。対して五郎が変身する「アイアンキング」は、水をエネルギー源とし、活動時間が極端に短いという弱点を抱えています。エネルギー切れでピンチに陥るヒーローを人間が助け出す――この凸凹コンビが織りなす、ユーモアとシリアスが同居した物語は今なお新鮮です。
なぜ今、漫画版『アイアンキング』なのか。特撮ファンを惹きつける3つの魅力
-
「主役は人間、ヒーローは相棒」という逆転のカタルシス 頼りないヒーロー・アイアンキングの窮地を、クールな凄腕エージェント・弦太郎が救う展開は本作の醍醐味です。「変身ヒーローよりも人間の方が強い」というパラドックスが、読者に独特な痛快さとカタルシスをもたらします。
-
テレビ版を超えた独自の展開 特撮ファンにとって見逃せないのが、テレビ放送版とは異なる漫画オリジナルの要素です。テレビ版では諸事情により実現しなかった「幻の展開」や、物語の異なる結末など、映像作品とは一味違うパラレルな世界観を堪能できます。
-
かたおか徹治による迫力の劇画アクション 70年代の空気を色濃く残す、力強い筆致も大きな魅力です。キャラクターの表情に漂う哀愁や、巨大ロボットとの重量感あるバトルシーンなど、昭和特撮が持っていた「熱さ」と「泥臭さ」が紙面からダイレクトに伝わってきます。
昭和特撮ファン必読!このような方におすすめ
-
昭和特撮や宣弘社作品の熱い空気感を再体験したい方 当時の放送に熱狂した世代はもちろん、昭和特撮のデザインや雰囲気に惹かれる方にとって、本書は当時の興奮を呼び覚ます一冊となるでしょう。
-
変則的なバディものや、一風変わった設定に興味がある方 王道のヒーロー物語とは異なる刺激を求める方にも最適です。最強の人間と最弱のヒーローという組み合わせは、現代の視点で見ても非常にユニークです。
-
入手困難だった名作を手軽にコレクションしたい方 かつては入手が難しかった作品も、電子書籍なら手軽に楽しめます。特撮史の資料的価値も高い本作を、ライブラリに加えてみてはいかがでしょうか。