伝説の打ち切り名作『蹴撃手マモル』とは?ゆでたまご流ムエタイ漫画の全貌
『キン肉マン』で知られるゆでたまご先生が描いた、知る人ぞ知るムエタイ漫画『蹴撃手マモル(キックボクサーマモル)』。K-1ブームが到来する直前に「週刊少年ジャンプ」で連載され、全4巻という短さで完結した本作は、まさに「早すぎた名作」と言えるでしょう。現在は電子書籍化され、その突き抜けた熱量と独特の世界観が再評価されています。格闘技漫画の枠に収まらない、ゆでたまご作品特有のエネルギーが詰まった一作です。
『蹴撃手マモル』のあらすじ:兄の命を救うため、地獄のムエタイ修行へ
物語の主人公は、類まれな走り高跳びの才能を持つ中学生・蹴田マモル。彼は遠征先のタイで、ムエタイの凄まじい破壊力を目の当たりにします。しかし、その地で待っていたのは残酷な運命でした。行方不明だった兄がムエタイ王者キング・パイソンに敗北し、90日後に死に至るという呪いの技「九十日殺し蛇刻印」を刻まれてしまったのです。
兄の命を救うため、マモルは幻のムエタイの達人・ゼペットに弟子入りを決意します。想像を絶する過酷な修行を経て、マモルはムエタイ戦士として覚醒。キング・パイソンが率いる組織「ニシキ蛇会」から次々と送り込まれる刺客たち――サソリやカマキリといった動物の力を持つ恐るべき戦士たちとの死闘に身を投じていきます。
ここが凄い!『蹴撃手マモル』が読者を惹きつける3つの魅力
-
物理法則無視は当たり前!「ゆでたまご理論」全開のバトル 本作最大の魅力は、現実の格闘技理論を遥かに超越した「ゆでたまごイズム」です。物理法則を無視したかのようなトンデモ必殺技の数々は、読む者に強烈なインパクトを与えます。「そんなバカな!」とツッコミを入れつつも、その圧倒的な勢いと説得力に引き込まれずにはいられない、独特の読書体験がここにあります。
-
サソリやカマキリのヘッドギア!個性際立つ敵キャラクター マモルの前に立ちはだかる敵たちは、サソリやカマキリなどをモチーフにした奇抜なヘッドギアやコスチュームを身にまとっています。そのデザインや設定は『キン肉マン』に登場する超人たちを彷彿とさせ、ゆでたまごファンなら思わずニヤリとしてしまうことでしょう。動物の特性を活かした奇想天外な攻撃方法は必見です。
-
語り草となっている「伝説のラストシーン」 本作を語る上で欠かせないのが、その潔すぎるラストシーンです。連載漫画の宿命とも言える打ち切りを、「俺達の戦いはこれからだ!」というテンプレート通りの展開で締めくくっています。その清々しいほどの幕切れは、逆に「伝説」としてファンの心に刻まれており、打ち切り漫画特有の儚さと哀愁を感じさせます。
『キン肉マン』好きなら必読!『蹴撃手マモル』をおすすめしたい人
-
『キン肉マン』シリーズのファン 「ゆでたまご理論」とも呼ばれる独自の理屈や、個性豊かなキャラクター造形が好きな方にはたまらない作品です。『キン肉マン』のエッセンスが凝縮されたムエタイバトルを楽しめます。
-
80〜90年代のジャンプ黄金期を懐かしむ人 理屈よりも勢いと熱さを重視した、あの時代の「ジャンプ漫画」の空気を存分に味わえます。ページをめくる手が止まらなくなる、当時の熱狂を思い出したい方におすすめです。
-
打ち切り漫画特有の熱量と儚さが好きな人 限られた巻数の中で駆け抜けるような疾走感と、志半ばで幕を閉じる儚さ。打ち切り作品だからこそ生まれる独特の熱量を愛する玄人好みの作品です。全4巻で完結しているため、週末の一気読みにも最適です。