『キリエ』全2巻で伝説となった「吸血鬼×西部劇」のカルト作
杉村麦太氏が描く『キリエ』は、全2巻という短さで完結しながらも、その濃厚な世界観で一部のファンから熱狂的な支持を集め続けるダークファンタジーです。19世紀末のアメリカ西部を舞台に、「吸血鬼×ガンアクション」というロマンを詰め込んだ設定と、退廃的で美しいビジュアルは、一度読めば忘れられない強烈なインパクトを残します。「知る人ぞ知る名作」として、今なお語り継がれるカルト的な一作です。
少女キリエと黒い傘。狂血病が蔓延する荒野の果てしない旅路
物語の舞台は、吸血鬼化する奇病「狂血病」が蔓延し、荒廃した19世紀末のアメリカ西部。その荒野を、黒い傘を差した一人の少女・キリエが旅をしています。彼女が持つ巨大な傘は、雨を避けるためのものではなく、凶悪な「狂血鬼」を葬り去るための強力な仕込み銃です。
可憐な少女が身の丈ほどの重火器を振り回すギャップと、彼女が背負う過酷な運命が物語の主軸となります。キリエが追うのは、自身の実の父であり、この世界に病を撒き散らした元凶でもある「黒衣の者」。救いのない世界で、自身の血脈と対峙するために引き金を引く、復讐と贖罪のダークヒーロー譚がここにあります。
厨二心に刺さる!『キリエ』が一部で熱狂的に支持される3つの魅力
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仕込み傘に100万ボルト!ロマンの塊のようなガジェット 本作の最大の魅力は、なんといってもその独創的な武器デザインです。キリエが操る「仕込み傘銃」の無骨なカッコよさはもちろん、作中には「100万ボルトのナックル」など、理屈抜きで心を震わせるガジェットが多数登場します。機能美とロマンが融合したメカニック描写は、設定画を見るだけで心が躍る層にはたまりません。
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杉村麦太が描く「退廃美」と「エッジ」 トーンを多用した画面作りが、西部劇の埃っぽさとゴシックホラーの妖艶さを見事に融合させています。影の濃い重厚な作画と、鋭角でスタイリッシュなキャラクターデザインが生み出す空気感は唯一無二。ただ立っているだけで絵になるキャラクターたちの「キメ顔」や構図の美しさは、ページをめくる手を止めさせない魅力があります。
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未完ゆえの美学。「救いのなさ」が残す強烈な爪痕 本作は物語の途中で幕を下ろしていますが、その「俺たちの戦いはこれからだ」という終わり方さえも、この退廃的な世界観においては一つの美学として昇華されています。ハッピーエンドとは程遠い、傷つきながらも泥沼を進んでいくしかない結末。その潔さと救いのなさが、逆に読者の心に深く突き刺さり、長く残る余韻となっています。
『ヘルシング』好きは必見?『キリエ』はこんな人におすすめ
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スタイリッシュなガンアクションを求めている人 『HELLSING』や『トライガン』に代表されるような、キザな台詞回しや、ポーズを決めて銃をぶっ放すスタイリッシュなアクションが好きな人には、間違いなく刺さります。
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独特な武器設定やメカニックに惹かれる人 「ただの銃」では満足できない、ギミックや変形、あるいは一見荒唐無稽な兵器にロマンを感じるガジェット好きの方におすすめです。武器の設定一つ一つに注がれた愛を感じるはずです。
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短期間で濃密な世界観を摂取したい人 全2巻ですぐに読み切れるボリュームですが、その密度は長編作品に引けを取りません。「週末にサクッと、でもガッツリと重い世界観に浸りたい」という気分の時に最適な一冊です。