名作ゲーム『季節を抱きしめて』を漫画で楽しむアンソロジーコミック
90年代後半、「見るドラマから、やるドラマへ」というキャッチコピーと共にPlayStationで話題を呼んだ「やるドラ」シリーズ。その第2弾として発売された『季節を抱きしめて』の世界観を、複数の実力派作家がそれぞれのタッチで描いたアンソロジーコミックです。
Production I.G制作による美しいアニメーションで多くのプレイヤーの記憶に残るあの物語が、コミックならではの多様な表現で蘇ります。
桜と記憶を巡る物語 / 『季節を抱きしめて』のあらすじ
舞台は、春の予感とともに淡い桜色が街を彩る地方都市。大学のキャンパスには、悲しい恋の伝説が残る古木「悲恋桜」が静かに佇んでいました。ある日、主人公はその桜の樹の下で倒れている一人の少女を発見します。
彼女は自分の名前を含む一切の記憶を失っていました。しかし、その顔立ちは、かつて交通事故で亡くなった主人公の初恋の相手に瓜二つだったのです。「麻由」と名付けられた彼女との奇妙な同居生活が始まります。一方で、主人公のことを一途に想い、そばで支え続けてきた同級生・トモコの存在。
亡き人の面影を宿す不思議な少女と、現実を生きる健気な幼馴染。失われた記憶の断片と桜に秘められた真実が交錯する中で、主人公の心は二人のヒロインの間で大きく揺れ動きます。
『季節を抱きしめて』アンソロジー版の3つの魅力
- あの感動を追体験: ゲームプレイ時に多くのユーザーが心を動かされた、胸を締め付けられるような切なさや、90年代作品特有のノスタルジックな空気感が丁寧に描かれています。当時の思い出に浸りたいファンにとって、ページをめくるたびにあの頃の感情が蘇る一冊です。
- 複数の視点で楽しむ物語: 本作は複数の作家が参加するアンソロジー形式です。本編のシリアスなストーリーラインをなぞる作品だけでなく、キャラクターたちの微笑ましい日常や、ゲームでは見られなかった「もしも」の展開など、作家ごとの解釈による多様な物語を楽しめます。
- 王道の90年代ラブストーリー: 過去の幻影を追うのか、それとも今そばにいる人の温もりを選ぶのか。恋愛アドベンチャーの王道とも言える、直球でじれったい三角関係の描写は、時代を超えて読む人の心を打ちます。純粋だからこそ傷つきやすい、若者たちの繊細な心理描写に注目です。
『季節を抱きしめて』はこんな人におすすめ
- レトロゲームファン: かつてPlayStationで「やるドラ」シリーズをプレイした方はもちろん、90年代のアドベンチャーゲームが持つ、独特のドラマチックな空気を味わいたい方に最適です。
- 切ない純愛物語が好きな人: 『時をかける少女』や『タッチ』のように、SFやファンタジー要素が日常に溶け込んだ、少し不思議で甘酸っぱい青春ジュブナイル作品を求めている方におすすめです。
- 完結作をサクッと読みたい人: 全1巻完結のアンソロジーコミックであるため、物語の結末まで手軽に読むことができます。長編を読む時間は取れないけれど、名作の世界観に触れて感動したいという方にぴったりです。