『機神飛翔デモンベイン』:正統続編にして幻の未完作
『機神飛翔デモンベイン』は、クトゥルフ神話と巨大ロボットを融合させた『機神咆吼デモンベイン』の正統続編です。原作はPCゲームですが、本作の漫画版(作画:不破)は連載が中断されており、単行本として完結していない「幻の作品」として知られています。
市場には同名のタイトルを冠したアンソロジーコミック(『スーパーコミック劇場』など)が存在するため、購入や検索の際は混同しないよう注意が必要です。しかし、その「読めない」という希少性が、ファンの間での伝説的な評価をむしろ高めている側面もあります。
あらすじ:九郎とアル、再びアーカムシティの闇へ
邪神との壮絶な戦いを終え、世界に平和を取り戻した大十字九郎とアル・アジフ。二人は魔導探偵として、平穏なアーカムシティで日々を過ごしていました。しかし、その平和は唐突に破られます。街で再び発生し始めた怪事件。その影に潜むのは、どこか見覚えのある、しかし決定的に異なる「何か」でした。
九郎たちの前に立ちはだかったのは、二刀流を操る謎の少年・九朔(ひさく)と、鮮烈な紅いドレスを纏った少女・アナザーブラッド。そして彼らが駆る、もう一つのデモンベイン――。「世界修正の歪み」から生まれたとされる彼らの目的とは何か。復活するはずのない最強の敵の影もちらつく中、九郎とアルは新たな、そして決して避けられない戦いの渦中へと巻き込まれていきます。
本作の見どころ:新たなデウス・マキナと「燃え」の展開
新たなデウス・マキナの衝撃 本作最大の特徴は、主人公機と対をなすような存在の登場です。特に、本来のデモンベインとは異なる戦闘スタイルを操る機体のアクションは、物語の緊張感を高めています。また、キーパーソンとなる少女・アナザーブラッドのゴシックかつ妖艶なビジュアルと設定は、シリーズに新しい風を吹き込みました。
変わらぬ「燃え」の展開 前作『機神咆吼』で確立された、絶望的な状況を根性と魔術とロボットで覆す「ニトロプラス節」は健在です。世界修正の歪みというSFギミックを背景に、予測不能なシナリオが展開されます。漫画版は未完ですが、その熱い導入部は、原作ゲームで描かれた真の結末への興味をより一層強くさせるでしょう。
おすすめの読者層
- デモンベインシリーズのファン: 九郎とアルの「その後」を知りたい、シリーズの世界観に深く浸りたい方にとって、本作の設定や導入部は重要です。
- ニトロプラス作品のコレクター: 入手困難な状況や複雑な出版事情を含めて、作品の歴史そのものをコレクションしたいという方に響く作品です。
- 設定・世界観重視の方: アンソロジーや設定資料集など、関連書籍と併せて読み解くことで、デモンベインという巨大なサーガの深淵に触れることができます。