氷室冴子の名作『クララ白書』とは? 80年代少女小説の金字塔を漫画で読む
氷室冴子原作、みさきのあ作画による、80年代少女小説ブームを牽引した名作です。1985年には少女隊主演で映画化もされた「コバルト文庫」の代表作が、全3巻の漫画版として鮮やかに描かれています。ミッションスクールの寄宿舎を舞台に繰り広げられる、懐かしくもパワフルな青春コメディは、今なお色褪せない輝きを放っています。
あらすじ:寄宿舎「クララ舎」は毎日が大騒ぎ!
舞台は北海道にあるミッションスクール「徳心学園」。親の転勤を機に入学した主人公「しーの(桂木しのぶ)」は、憧れの寄宿舎生活に胸を膨らませていました。しかし、同室となったのは、学園一の美貌を持ちながら、その中身は予測不能な行動を繰り返す変人「マッキー(高山マキ)」でした。
さらに漫画家志望の「菊花(佐倉菊乃)」も加わり、個性豊かな3人が揃えば、平穏な日々が続くはずもありません。お堅いシスターたちの監視をくぐり抜け、夜中にドーナツを大量生産したり、身に覚えのない疑いを晴らすために奔走したり。清らかさとは程遠いけれど、どこまでもエネルギッシュで賑やかな、愛すべき「問題児」たちの学園生活が幕を開けます。
『クララ白書』が色褪せない理由
美貌と奇行のギャップが魅力の「マッキー」 深窓の令嬢のような儚げなルックスとは裏腹に、その行動力はまさに暴走機関車。突拍子もないマッキーの言動に、常識人のしーのが振り回される掛け合いは絶妙です。喧嘩もしながら、次第にかけがえのない絆で結ばれていく彼女たちの友情は、読む人の心を温かくします。
規則をぶっ飛ばす「爽快感」 「清く正しく」を掲げる厳格なミッションスクールという環境だからこそ、彼女たちの自由奔放なエネルギーが際立ちます。ただ暴れるだけでなく、知恵を絞ってシスターたちの裏をかく「知能犯的」なイタズラの数々は、読んでいてスカッとする爽快感にあふれています。
全3巻で完結する「最高の週末読書」 80年代の熱気と空気感を濃厚に詰め込みながらも、全3巻できれいに完結するため、忙しい大人でも一気に読み切ることができます。週末のひとときに、かつての少女漫画が持っていたパワーと、あたたかくも少しほろ苦い青春の1ページを追体験できるでしょう。
こんな人におすすめ! 往年のコバルトファンも必見
- 80年代の少女文化に浸りたい人 当時の「コバルト文庫」が持っていた熱量や、リボンやレースに憧れたあの頃のときめきをもう一度味わいたい方に。
- 『マリア様がみてる』等の舞台設定が好きな人 「ごきげんよう」と挨拶する世界観は好きだけれど、シリアスな展開よりも、カラッと明るく笑えるコメディを楽しみたい方に最適です。
- サクッと読める完結作を探している人 長編作品を追うのに疲れてしまった時、全3巻というコンパクトさで、読後に確かな満足感と元気をくれる本作は、心のリフレッシュにぴったりです。