安永航一郎が放つ伝説の怪作『巨乳ハンター』とは?
『巨乳ハンター』は、1980年代の週刊少年サンデー増刊号などで異彩を放った、安永航一郎氏による伝説的なパロディギャグ漫画です。
全2巻というコンパクトな構成ながら、「第1巻・第2巻」ではなく**「右乳篇・左乳篇」**と銘打つ奇抜なセンスや、圧倒的な画力で描かれるナンセンスな展開が、当時の読者に強烈なインパクトを与えました。2019年には約30年ぶりの新作読み切り『巨乳ハンターG』が発表されるなど、時代を超えてカルト的な人気を誇る作品です。
貧乳の逆恨みから始まる狂気のあらすじ
物語の主人公は、容姿端麗かつ文武両道な女子高生・恭塚まさ子。完璧に見える彼女ですが、想いを寄せていた男子に「貧乳は眼中にない」と一蹴されたことから、その人生(と人格)は大きく歪んでしまいます。
怒りに燃える彼女は、肉まんを胸に詰め込み、自らを「巨乳ハンター」と称して、この世のすべての巨乳への復讐を誓うのです。
保健室から「全校女生徒巨乳リスト」を盗み出した彼女の目的は、ターゲットから**「パイ拓(乳房の拓本)」**を強奪すること。当初は個人的な怨恨による犯行でしたが、物語は次第に加速し、「悪の巨乳」や謎の巨大組織、さらにはF1やプロ野球など、あらゆるジャンルを巻き込んだカオスな戦いへと発展していきます。常人には理解不能なエネルギーで突き進む、80年代サンデー屈指の爆笑劇です。
なぜ伝説なのか?『巨乳ハンター』が持つ3つの魅力
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「画力の無駄遣い」と称される劇画調ギャグ 安永航一郎氏の真骨頂とも言えるのが、無駄に高い画力と、そこで描かれる内容の「くだらなさ」とのギャップです。筋肉の隆起、メカニックの緻密なディテール、書き込まれた背景など、シリアスな劇画としても通用する筆致で、最低な下ネタや意味不明なギャグが真顔で繰り広げられます。「なぜそこに全力を注いだのか」と思わず唸ってしまうシュールな対比こそが、本作最大の魅力です。
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全方位へのパロディ爆撃 映画、特撮、アニメ、そして当時のスポーツ界のスターまで、あらゆる流行を貪欲に取り込み、強引かつ不謹慎に「乳」ネタへと結びつけるキレ味は圧巻です。パトレイバーやエヴァ(新作『G』において)などのロボットものから、実在の有名人まで、コンプライアンスの概念が現在とは異なっていた時代の、自由で混沌とした勢いを感じさせます。
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前代未聞の「右乳篇」「左乳篇」構成 単行本の巻数表記にまで遊び心が詰まっています。「第1巻・第2巻」ではなく「右乳篇・左乳篇」とするセンスは唯一無二。さらに、単行本の背表紙を並べると「巨乳」の文字が完成するギミックが施されているなど、コレクター心をくすぐる仕様も、本作がカルト的な支持を集める理由の一つです。
『巨乳ハンター』はこんな人におすすめ
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安永航一郎ファン・80年代サンデー読者 『県立地球防衛軍』などで知られる安永節が炸裂しています。当時の増刊号などが持っていた、自由で混沌とした熱気を再び味わいたい方に最適です。
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シュールで過激なギャグを求める人 物語の整合性を無視したメタ発言や、既存作品のパロディ崩壊など、予定調和を許さない展開の連続です。「くだらなすぎる!」と笑って脱力したい気分の時におすすめです。
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短編で濃密な読書体験をしたい人 全2巻(右乳篇・左乳篇)で完結するため手軽に読み始められますが、1ページごとの情報密度とギャグの密度は極めて高く、読後の満足感は長編作品に引けを取りません。