『究極超人あ〜る』とは? 31年越しに新刊が出た伝説の文化系部活コメディ
『究極超人あ〜る』は、ゆうきまさみが描く「文化系部活もの」の原点にして金字塔とも言える学園ギャグ漫画です。 1987年に一度は完結を迎えながらも、その根強い人気から31年の時を経て2018年に第10巻が発売されるという、漫画史に残る復活劇を遂げました。OVA化などのメディアミックスも展開され、昭和から平成、そして令和へと時代を超えて愛され続ける作品です。
あらすじ:世界征服用アンドロイドが「光画部」へ?
マッドサイエンティスト・成原博士によって「世界征服」のために作られたアンドロイド、R・田中一郎。しかし、博士の気まぐれにより、彼はなぜか春風高校に転入することになります。
一見すると詰襟の学生服を着た真面目な学生ですが、その動力源はなんと「ごはん(ササニシキ)」。驚異的な身体能力を持ちながらも、性格はどこか抜けていてマイペース。そんな彼が入部したのは、個性的な変人ばかりが集まる文化系部活「光画部(写真部)」でした。
愛車である自転車「轟天号」で新幹線と並走したり、部室で名物「おかゆライス」を振る舞ったり……。世界征服とは無縁の、シュールで平和な学園生活が繰り広げられます。
なぜ『究極超人あ〜る』は面白いのか? 読者を惹きつける3つの魅力
「ゆるい部活もの」の先駆者 本作が連載されていた当時は、汗と涙の「スポ根」ブームの真っ只中。そんな中で、あえて地味な文化系部活にスポットを当て、「何もしない贅沢」や放課後のダラダラとした空気感を描き出しました。現代のアニメや漫画で人気を博す「日常系」ジャンルの基礎を築いた、時代を先取りした感性が光ります。
常識外れのキャラクターたち 主人公のRは、アンドロイドでありながら妙に卑屈で、それでいて万能という掴みどころのないキャラクター。そして、そんなRさえも振り回すのが、光画部の支配者でありトラブルメーカーの鳥坂先輩です。彼らをはじめとする部員たちは誰一人として個性が埋没することなく、予測不能な掛け合いで読者を楽しませてくれます。
洗練されたパロディと時事ネタ 作中には特撮ヒーロー、カメラ、鉄道、落語など、作者の趣味が反映されたマニアックなネタが散りばめられています。しかし、本作の特筆すべき点は「元ネタを知らなくても笑える」という構成力にあります。高度なギャグセンスとテンポの良い会話劇によって、ディープなサブカルチャーネタが見事なエンターテインメントへと昇華されています。
『究極超人あ〜る』はこんな人におすすめ
シュールで知的なギャグを求める人 勢いだけで笑わせるのではなく、絶妙な「間」やウィットに富んだセリフ回しで構築される、知的なコメディを楽しみたい方に最適です。
ゆうきまさみ作品の世界観が好きな人 『機動警察パトレイバー』や『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』などにも通じる、日常の中に非日常が違和感なく溶け込む、ゆうきまさみ独自の空気感を存分に味わえます。
カメラ・鉄道・特撮などのサブカル好き 作中に登場する昭和のガジェットや、趣味性の高い小ネタの数々は、好きな人にはたまらない要素です。連載開始40周年を控え、現在も新作読み切りが発表されるなど話題の尽きない本作。今なお色褪せないレジェンド級の面白さを、ぜひ体験してみてください。