『LOVE ME DO』とは? きらら創刊号を飾った新条るるの隠れた名作
『まんがタイムきらら』の創刊号から連載された、新条るる先生による記念すべき作品です。全2巻で完結しており、可愛らしい絵柄とは裏腹に、文豪・谷崎潤一郎の『痴人の愛』をモチーフにしたという意外な背景を持っています。シュールな毒気と日常系が融合した、きらら作品の源流とも言える独特の世界観が魅力です。
16歳の幼な妻と680円のロボット? 奇妙な共同生活のあらすじ
システムエンジニアとして働く31歳の杉浦譲治は、15歳年下の幼な妻・アイと暮らす新婚さんです。しかし、アイが結婚した理由は「高校に行きたくないから」というドライなもので、彼女は家事もせず怠惰な日々を過ごしていました。
ある日、結婚記念日のプレゼントとして「お手伝いさん」をねだられた譲治は、ホームセンターで680円(税抜)で叩き売られていた犬型メイドロボット「モンちゃん」を購入します。家事は完璧ながら毒舌なロボット、金に貪欲で働かない妻、そして二人に搾取され続ける夫。歪ながらも賑やかな3人の奇妙な共同生活が、軽快な4コマ形式で描かれます。
本作が持つ3つの魅力:『痴人の愛』を4コマへ昇華
1. 「人生はカネ!」と言い切るヒロイン・アイ ヒロインのアイは16歳にして「愛より金」を地で行く強烈なキャラクターです。年上の夫・譲治を完全に手玉に取り、欲望のままに振る舞う彼女の姿は、ある種の清々しささえ感じさせます。その奔放さに振り回される譲治がどこか幸せそうに見えるため、読んでいる側も不思議な爽快感を覚えるでしょう。
2. 激安680円なのに高性能&毒舌なモンちゃん ホームセンターのワゴンセールで買われた犬型ロボット・モンちゃんは、680円という安さからは想像できないほどのハイスペックさを誇ります。家事を完璧にこなす一方で、ご主人様である譲治に対しても容赦ない毒舌やツッコミを炸裂させるシュールなキャラクター性が、作品に独特のスパイスを加えています。
3. 文豪作品を4コマギャグへ落とし込むセンス 本作は、谷崎潤一郎の『痴人の愛』――年上の男が少女を好みの女性に育てようとして逆に支配されていく物語――をモチーフにしています。この文学的なテーマを、萌え要素のある可愛らしい絵柄とテンポの良いギャグに落とし込んだセンスは秀逸。単なる萌え4コマではない、一癖ある面白さがここにあります。
全2巻で完結! シュールなギャグ好きにおすすめ
少しブラックな笑いを求めている方に ほのぼのとした日常系だけでは物足りない、少しドライな人間関係や毒のある笑いを楽しみたい読者に最適です。
『まんがタイムきらら』の黎明期に触れたい方に 現在の「きらら系」のイメージが定着する前の、黎明期ならではの自由で実験的な作風を感じることができます。
サクッと読める完結済み作品として 全2巻というコンパクトな構成で物語がきれいにまとまっているため、週末や隙間時間に一気読みするのにぴったりです。