『神に背を向けた男』とは? 伝説のタッグが描くバイオレンス復讐譚
『スケバン刑事』などで知られるストーリーテラーの巨匠・和田慎二が原作を、浜田翔子が作画を担当した、90年代を代表する傑作サスペンス漫画です。全5巻(文庫版全3巻)で完結済み。
少女漫画やレディースコミックというジャンルの枠を軽々と飛び越え、ハードなバイオレンスと濃密なエロス、そして弱者が強者を喰らう壮絶な「下克上」を描ききっています。現代の漫画では味わいにくい熱量と、ヒリつくようなドラマ性が凝縮された異色作です。
あらすじ:美貌を武器に地獄から這い上がる、佳樹の壮絶な下克上
政財界を牛耳る大物たちによって両親を惨殺され、最愛の姉をも植物人間にされた少年・郷田佳樹(ごうだ よしき)。 絶望の淵に立たされた彼に残されたのは、類稀なる「美貌」と燃え上がる復讐心だけでした。権力者たちに復讐を果たすため、佳樹が選んだ道は、香港の裏社会に君臨する醜悪な女帝・さえ子の「ペット(愛人)」となること。
誇り高き少年は、自らの肉体と尊厳を売り渡し、屈辱に耐えながら虎視眈々と力を蓄えていきます。さえ子から叩き込まれたのは、上流階級のマナーと、女を悦ばせるための徹底した「性技」。地獄の底で美しき獣へと変貌を遂げた佳樹が、牙を剥く瞬間、血塗られた復讐劇の幕が上がります。
ここが凄い! 読者を惹きつける3つの魅力
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手段を選ばぬ「美しき冷酷さ」 主人公・佳樹の最大の武器は、その美貌と肉体です。復讐のためなら体を使うことも厭わず、冷徹に目的を遂行していく姿には、悲壮感と背中合わせの妖艶な色気が漂います。ただ強いだけのヒーローではない、傷つき穢れながらも輝きを増す「ダークヒーロー」としての魅力に圧倒されます。
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衝撃のキャラクター設定 本作を彩る脇役たちも、主役に負けず劣らずアクの強い人物ばかりです。特に、佳樹の秘書となる島津の設定は衝撃的。彼はある事情により、常人とは触れ合うことのできない「特異体質」を背負っています。和田慎二作品ならではのケレン味たっぷりの設定と、濃厚な人間ドラマが絡み合い、読む手を止めさせません。
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ヒリつくような緊張感 コンプライアンスが重視される現代の漫画作品とは一線を画す、90年代作品特有の「容赦なさ」が本作の真骨頂です。剥き出しのバイオレンス、ドロドロとした愛憎、そして極限状態でのカタルシス。ページをめくるたびに突きつけられる衝撃は、今読んでも全く色褪せることがありません。
『神に背を向けた男』はこんな人におすすめ
- 骨太な復讐劇を求めている人 最近の「ざまぁ」系作品では物足りない、人間の業や執念を描いた重厚なストーリーを求めている方に最適です。
- 90年代の熱量の高い作品に触れたい人 和田慎二作品のファンはもちろん、当時のレディースコミックが持っていた独特の熱気や、タブーを恐れない物語構成に興味がある方にも強くおすすめします。
- 濃密な物語を一気に読破したい人 全5巻(文庫版なら全3巻)という、長すぎず短すぎないボリュームも魅力。無駄のない構成で最後まで一気に駆け抜ける疾走感があり、週末の読書にぴったりの作品です。