昭和の熱気が蘇る『ミクロマン完全版(電子特別版)』の魅力
『テレビマガジン』での連載やタカラ(現タカラトミー)の玩具展開と連動し、70年代の少年たちを熱狂させたSF漫画『ミクロマン』。そのコミカライズ版が、当時のカラー原稿や2色ページを再現した『電子特別版』として配信されています。
森藤よしひろ氏(作画)、響わたる氏(原作)による本作は、単なる玩具の販促漫画という枠を超え、緻密なメカニック描写とハードなストーリー展開で高く評価されています。今回の電子書籍化にあたっては、長らく単行本未収録だったエピソードも網羅。昭和の少年文化をパッケージした、資料的価値の高い「完全版」です。
あらすじ:身長10cmの小さな巨人が地球を守る戦い
高度な科学文明を誇っていた「ミクロ星」は、謎の大爆発により消滅してしまいます。故郷を失ったミクロマンたちは、安住の地を求めて宇宙を旅し、ついに地球へと到達。そこで日本の少年・片貝あきらと運命的な出会いを果たします。
身長わずか10cmという「小さな巨人」たちは、地球の平和を守るため、地球征服を企む悪の軍団「アクロイヤー」との激しい戦いに身を投じます。物語は単純な勧善懲悪に留まらず、公害汚染によって誕生した怪人との死闘など、当時の世相を色濃く反映したシリアスなドラマが展開されます。小さな身体で巨大な敵や困難に立ち向かう彼らの姿は、いつの時代も色褪せない勇気を与えてくれます。
子供向けを超えた重厚さ!本作を読むべき3つの理由
「公害」や「冷戦」をテーマにした社会派SFとしての深み 本作が描かれた70年代当時の社会不安であった「公害問題」や「冷戦構造」が、物語の根底に流れています。ヘドロや廃棄物から怪人が生まれるなど、子供向け作品とは思えないほど現実社会への警鐘を含んだハードなテーマ性は、大人になった今だからこそ深く刺さる読み応えがあります。
森藤よしひろ氏による緻密で圧倒的なメカニック描写 「ミクロマン」の魅力を語る上で外せないのが、森藤よしひろ氏による劇画タッチの迫力ある作画です。特にメカニックや基地の内部図解、変形シークエンスの描写は緻密を極め、当時の少年たちの心を掴みました。ダイナミックなアクションシーンの連続は、今読んでも圧倒的な熱量を放っています。
電子版ならではの「生原稿スキャン」による再現 この「電子特別版」最大の特徴は、当時の雑誌連載時に掲載された4色・2色カラーページを、生原稿からのスキャンによって再現している点です。従来の単行本ではモノクロ化されていたページが、当時の鮮やかな色彩のまま楽しめるのは、電子書籍ならではの仕様と言えます。
『ミクロマン』はこんな人におすすめ
70年代〜80年代にミクロマンの玩具で遊んだ世代 かつて透明なボディのフィギュアを手に取り、夢中になって遊んだ記憶がある方には、当時の興奮が鮮明に蘇る一冊となるでしょう。
昭和レトロなSF漫画や特撮作品が好きな人 泥臭くも熱いヒーロー像や、昭和特有の重厚なSF設定、特撮ドラマのような展開を求めている方にとって、読み応えのある作品です。
資料的価値を重視し、物語を完全に網羅したい人 入手困難だったエピソードや未収録ページが補完された「完全版」仕様であるため、作品の世界を余すことなく楽しみたいコレクターの方にも最適です。