『MOONLIGHT MILE』とは? 『サンダーボルト』の太田垣康男が描く宇宙開発叙事詩
『機動戦士ガンダム サンダーボルト』でその硬派なメカニック描写と重厚なドラマを世に知らしめた太田垣康男氏。彼が描く『MOONLIGHT MILE』は、絵空事ではない「地続きの未来」を徹底的なリアリズムで描いた宇宙開発叙事詩です。
NASAやJAXAの現状、そして国際情勢を取材に基づき投影しており、SFファンのみならず多くのビジネスパーソンを唸らせてきました。WOWOWでのTVアニメ化も果たした本作は、現在電子書籍の「完全版」として再始動しており、カラー原稿も収録されたリマスター仕様でその熱量を余すところなく体感できます。
エベレストから月へ! 異なるルートで頂点を目指す二人の男
物語の幕開けは、世界最高峰エベレストの頂。「ここから上には空しかない」場所で、二人の大学生、猿渡吾郎とジャック・F・ロストマンは次なる野望を共有します。「月へ行く」。それは単なる夢物語ではなく、人生を賭けた壮大なプロジェクトの始まりでした。
時は流れ、二人は全く異なるアプローチでその頂を目指します。吾郎は建設作業員として現場の技術を極め、泥臭く這い上がる道を。ロストマンは軍に入隊し、政治力と権力を手中に収め最短距離を駆け上がる道を。 現場からの叩き上げと、冷徹なエリート。正反対の道を歩む二人の軌跡が、月面資源「ヘリウム3」を巡る国家間の覇権争いの中で再び交差するとき、人類の歴史が大きく動き出します。
なぜ『MOONLIGHT MILE』は大人を熱くさせるのか? 3つの見どころ
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「嘘」のない圧倒的なリアリティ 本作の最大の魅力は、現実の科学技術や国際情勢の延長線上に描かれる「ありえるかもしれない未来」です。ロケット工学の技術的ハードルから、各国の宇宙開発予算を巡るパワーゲームまで、徹底したリアリズムが貫かれています。だからこそ、そこで描かれるドラマにフィクションを超えた説得力が宿ります。
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対極の英雄、吾郎とロストマン 重機を操り、己の肉体と技術で困難を突破する「現場の英雄」吾郎。一方で、戦闘機パイロットとしての腕と政治的駆け引きで組織を動かす「空の英雄」ロストマン。対照的な二人の男の生き様は、どちらも強烈な魅力を放ちます。あなたはどちらの背中に憧れるでしょうか。
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宇宙版『プロジェクトX』とも言える仕事ドラマ 本作の主役は宇宙飛行士だけではありません。ロケットを飛ばす技術者、予算を獲得する政治家、基地を守る軍人など、「月」に関わるすべてのプロフェッショナルたちが、それぞれの矜持を胸に戦っています。月面資源という莫大な利権を前に、欲望と使命感が入り混じる人間ドラマは、極上の「大人のエンターテインメント」です。
『下町ロケット』やミリタリーSF好きに捧ぐおすすめの読者
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「プロジェクトX」や「下町ロケット」的な熱い展開が好きな方 無理難題を技術と執念で解決していくカタルシスは本作の真骨頂です。現場の男たちが不可能を可能にする瞬間の熱量は、働くすべての人の胸を打ちます。
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ハードな近未来SFやミリタリー要素を好む方 宇宙空間での戦闘や、軌道上を飛ぶスペースプレーンなど、メカニック描写の緻密さは折り紙付きです。甘さのないハードな世界観に浸りたい人にとって、これ以上の作品はありません。
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読み応えのある長編作品を探している方 現在、第1部・第2部を収録した全24巻が配信されており、ひとつの大きな物語としての満足感は十分に得られます。電子書籍版はカラーページも再現された完全版となっており、物語の重厚さをフルスペックで楽しむことができます。