『パタリロ!』とは?少女漫画界の金字塔にして「混沌」の傑作
1978年の連載開始以来、45年以上にわたり走り続ける魔夜峰央先生の代表作であり、少女漫画界における「生ける伝説」とも呼べる作品です。既刊104巻を超えてなお連載中という圧倒的なボリュームを誇り、アニメ化、舞台化、実写映画化とメディアミックスも盛んに行われてきました。
ギャグマンガという枠組みにありながら、本格ミステリ、SF、オカルト、そして耽美なBL(ボーイズラブ)要素までもが渾然一体となった、まさに「混沌(カオス)」と呼ぶにふさわしい独自の世界観を確立しています。
常春の国マリネラから宇宙まで!国王パタリロが巻き起こす大騒動
舞台は常春の国・マリネラ王国。その国王であり、ゴキブリ並みの生命力と天才的な頭脳、そして底なしの守銭奴ぶりを発揮するパタリロ・ド・マリネール8世が物語の主人公です。
彼がMI6(英国情報局秘密情報部)の敏腕スパイで「美少年キラー」の異名を持つバンコランや、その愛人である元暗殺者の美少年マライヒを巻き込み、世界中、時には宇宙や異次元までをも股にかけて大騒動を繰り広げます。基本はハイテンションなドタバタギャグですが、その裏には冷戦下のスパイアクションや、人情劇が巧みに織り交ぜられており、長編でも読者を飽きさせません。
100巻超でも飽きさせない!『パタリロ!』が長年愛される3つの理由
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【注意】文庫版では全話読めない? 本作は文庫版も全50巻刊行されていますが、実はこれで完結しているわけではありません。100巻を超える壮大なサーガを余すところなく楽しみたい、コンプリート派の読者にとっては、現在も刊行が続く「花とゆめコミックス」版(単行本)こそが最適な選択です。
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「クックロビン音頭」だけじゃない知性 アニメ版で有名な「クックロビン音頭」などのシュールなギャグが注目されがちですが、本作の真骨頂はその構成力にあります。作者が愛好する落語や本格ミステリの知識に裏打ちされたプロットは極めて高度で、ギャグ漫画の皮を被った本格ミステリとしての一面も持ち合わせています。
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BL(ボーイズラブ)の先駆者 少女漫画誌において男性同士の恋愛(BL)をいち早く、かつオープンに描いた先駆的作品でもあります。特にバンコランとマライヒの愛憎劇は、ギャグパートとは対照的に耽美でシリアス。現代のBL作品に通じる「関係性」の萌芽をここに見ることができます。
『パタリロ!』はこんな人におすすめ
- 昭和の傑作ギャグを味わいたい人 独特の間と台詞回し、劇画調の背景とデフォルメキャラの対比など、時代を超えて愛されるシュールな笑いの原体験がここにあります。
- 本格ミステリやSF設定が好きな人 一見ふざけているようでいて、実は緻密に張られた伏線やトリック、タイムワープや異星人とのコンタクトといった壮大なSF設定を楽しみたい方に最適です。
- BLの歴史的古典に触れたい人 美少年キラーのバンコランと彼を愛するマライヒ。現代の商業BLの源流とも言える、妖艶でドラマチックな関係性の歴史的証人になりたい方におすすめです。