『るくるく』とは?あさりよしとおが描くブラック&シュールな悪魔同居譚【完結済み】
『宇宙家族カールビンソン』や『まんがサイエンス』で知られるSF・ギャグ漫画の鬼才、あさりよしとおが贈る『るくるく』。悪魔と天使が入り乱れるドタバタ同居コメディでありながら、一見可愛らしい絵柄からは想像もつかないブラックユーモアと、神話や宗教をモチーフにした知的なギャグが融合した作品です。全10巻で完結しており、その独特な世界観と哲学的な深み、そしてあさり作品特有の「毒」を一気に堪能できます。
父が黒猫に!?『るくるく』のあらすじと常識崩壊の日常
物語は、父子家庭で育つ平凡な中学生・鈴木六文(ろくもん)の元に、自称「家族の代わり」として悪魔の姫・瑠玖羽(るく)が押しかけてくるところから始まります。しかし、平穏な日常は一瞬にして崩壊。第1話にして、六文の父親は天使の手によって命を奪われてしまうのです。
この作品の真骨頂はここから。父は悪魔の力によって「黒猫」として蘇生・転生させられ、奇妙な同居生活が幕を開けます。「人間を天界に送る」という名目で善行(?)を積もうとする悪魔たちと、それを阻止しようとする融通の利かない天使たち。善と悪、生と死の価値観が逆転したシュールな世界で、常識崩壊の日常劇が繰り広げられます。
なぜ『るくるく』は面白い?神話パロディと「あさり節」全開の3つの魅力
- 知識欲を刺激する「神話・宗教パロディ」 作中にはキリスト教や悪魔学に基づいた設定やキャラクターが数多く登場します。ソロモン72柱などの悪魔や天使の階級といった元ネタが、巧みにギャグとして再構築されています。知識があるほど「そう来たか!」と唸らされる深みがあり、ただのギャグ漫画に留まらない知的な面白さが詰まっています。
- 容赦ない「あさり節」ブラックユーモア あさりよしとお作品の代名詞とも言える、可愛らしいキャラクターとシニカルな展開のギャップは本作でも健在です。生と死をドライに扱い、タブーすれすれのネタさえも笑いに変えてしまう「あさり節」が炸裂しています。時折顔を覗かせる独特の「ちょいエロ」要素も、この混沌とした世界観のスパイスとなっています。
- 個性爆発のキャラクターたち 主人公の六文を取り巻くのは、高飛車な悪魔の姫・瑠玖羽や、生真面目すぎてどこかズレている天使たち。人間よりも欲望に忠実であったり、逆に人間以上に人間臭かったりと、一癖も二癖もあるキャラクターたちが暴れ回ります。彼らの理不尽な言動に振り回される六文の苦労も、本作の大きな見どころです。
『宇宙家族カールビンソン』ファンも必読!『るくるく』をおすすめしたい人
- あさりよしとお作品のファン 独特の絵柄、容赦のない展開、そして底流にあるSF的・哲学的な視点など、「これぞあさり漫画」と言える成分が凝縮されています。
- ブラックユーモアやシュールなギャグを好む人 一般的な「萌え」や予定調和なラブコメとは一線を画す作品です。毒のある笑いや、倫理観を揺さぶるようなシュールな展開を求めている人に最適です。
- 完結した名作を一気読みしたい人 全10巻という程よいボリュームで、物語はきれいに完結します。散りばめられた伏線やテーマが収束していくカタルシスを、ぜひ最後まで見届けてください。