伝説の4コマ『トリコロ』。「萌え×シュール」を確立したきららの始祖
『まんがタイムきらら』創刊初期において、20号連続で表紙を飾り続けた伝説的な作品があります。海藍先生による『トリコロ』は、可愛らしいキャラクターとシュールなギャグが見事に融合した、「萌え4コマ」というジャンルの礎(いしずえ)とも言える記念碑的な作品です。その圧倒的な完成度と、現在は電子書籍での配信状況が限られていることも相まって、知る人ぞ知る「幻の名作」として語り継がれています。
『トリコロ』のあらすじ:幸運少女と個性派居候たちのシュールな日常
高校2年生の主人公・七瀬八重のもとに、ある日突然、母親の友人の娘である真紀子と多汰美が引っ越してくるところから物語は始まります。
とてつもない強運を持ち、髪の毛が四次元空間のように物を吸い込む八重。大阪出身でキレのあるツッコミを見せる真紀子。広島出身で、興奮すると野生の力が溢れ出す天然娘の多汰美。 さらに、八重に並々ならぬ執着を見せるお嬢様・景子も加わり、性格も方言もバラバラな4人の共同生活が描かれます。日常系でありながら、どこか現実離れしたシュールで温かい空気が流れる、唯一無二の世界観です。
色褪せない魅力。読者を惹きつける3つの理由
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「萌え4コマ」の原点にして頂点 今の『きらら』作品に通じる「女の子たちの可愛い日常」を描きつつ、4コマ漫画としての構成力やオチのキレが極めて高いレベルで完成されています。単に可愛いだけでなく、漫画としての面白さが骨太に存在しています。
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癖になる独自のシュールレアリスム 多汰美が興奮すると「ハイエナの耳と尻尾」が生えたり、八重が善行を積むと物理的に「後光」が差したりと、海藍先生独特のデフォルメ表現が随所に光ります。この不思議な現象が、登場人物たちによって当たり前のように受け入れられている空気感がたまりません。
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笑いの奥にある優しい人間ドラマ 奇抜な設定やギャグの連発に見えますが、その根底には家族のような絆や、友人への不器用な思いやりが丁寧に描かれています。読み終わった後に、心にじんわりと温かいものが残るのも本作の大きな魅力です。
今こそ読むべき「幻の名作」。こんな人におすすめ
- 『まんがタイムきらら』系のルーツを知りたい人 『けいおん!』や『ご注文はうさぎですか?』などの空気が好きな方なら、その源流にある本作の「萌えとギャグの黄金比」に心地よさを感じるはずです。
- 『あずまんが大王』のような空気が好きな人 2000年代初頭の日常系作品が持っていた、独特のゆったりとした間(ま)や、シュールなコメディセンスを求めている方に最適です。
- 入手困難な名作を探している人 現在、プラットフォームによっては配信が停止されていることもあり、読める機会自体が貴重になりつつあります。物語は未完のまま中断されていますが、1話完結型でどこから読んでも楽しめる、色褪せない面白さを体験してみてください。