『夢かもしんない』とは?完結済みSF人情コメディの魅力
『夢かもしんない』は、星里もちるが描く、全5巻で完結したSF人情コメディ作品。小学館より刊行され、働きすぎで家庭とすれ違う中年サラリーマンと、20年前に亡くなったアイドルの幽霊との奇妙な同居生活を描く。笑いあり涙ありの大人のファンタジーとして、20年以上経った今も根強いファンを持つ評価の高い作品である。
20年前に死んだアイドルが幽霊で現れたら?あらすじ
システム販売会社の中堅社員・加勢晴夫は、家族との時間も削って仕事に打ち込む典型的なサラリーマン。しかし、その努力は報われるどころか、妻や娘との関係は冷え切っていた。そんなある日、彼の前に突然現れたのは、20年前に亡くなったアイドル・夢野すみれの幽霊。彼女は「ハッピーにしてあげる」と宣言し、コンピュータを自在に操る能力を駆使して、加勢の人生に干渉し始める。さらに、職場の後輩・佐藤ひろみも加勢に恋心を抱き、奇妙な三角関係が勃発する――。現実と非現実が交錯する中で、人生の「本当のハッピー」とは何かを問いかける、心温まる物語の幕開けだ。
仕事・家庭・恋愛……笑いと涙の3つの見どころ
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中年サラリーマンと幽霊アイドルの奇妙な同居生活: 累々と積まれた仕事に追われる中年男と、無邪気でミステリアスな幽霊アイドルの凸凹コンビが織りなす日常は、笑いと切なさが同居した独特の魅力。すみれが行う奇跡は、単なるご都合主義ではなく、加勢の人生を大きく動かすきっかけとなる。その展開は読者を自然と引き込む。
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誰かのせいにしない人生の選択に共感: 本作の核心は、仕事、家族、恋愛という人生の岐路に立たされた主人公の姿。すみれの助けによって仕事で成果を上げる加勢だが、その代償として過労で倒れ、記憶障害に陥る。そこから明らかになる彼の子供時代の秘密と、すみれの過去。自らの選択と向き合う決断を迫られる展開は、多くの大人の胸に響く。
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星里もちる流の軽妙なセリフと90年代の空気感: 作者・星里もちるの真骨頂とも言える、軽快でユーモアあふれるセリフ回しが全編に光る。シリアスな場面でも思わず表情が緩む絶妙な間合いは、物語への没入感を高める。また、作中に漂う90年代の空気感、例えば当時の仕事観や家族観がノスタルジックに描かれており、同世代の読者にはたまらない魅力となっている。
こんな人にこそ読んでほしい!おすすめ読者層
- 星里もちるのファン: 同作者の『結婚しようよ』などが好きな方なら、この軽妙で温かい世界観に間違いなく馴染める。作家のトレードマークとも言える、人生の機微を笑いと涙で描く手法を存分に味わえる一作。
- 大人のラブコメや人情ドラマが好きな人: 単なる恋愛物語ではなく、家族、仕事、人生そのものに向き合う深みがある。中年世代の複雑な心境を描いた人間ドラマを求める方に最適。
- 完結済み作品を一気読みしたい人: 全5巻というコンパクトなボリュームで物語は完結。週末を使って一気に読み切るのにぴったりなサイズ感で、伏線が丁寧に回収される爽快感を味わえる。