『ポケットモンスター』穴久保幸作版とは?「ギエピー」の伝説を振り返る
1996年、ゲームボーイソフト『ポケットモンスター 赤・緑』の発売とほぼ同時期に「月刊コロコロコミック」で連載を開始した、穴久保幸作先生によるギャグ漫画です。アニメや他作品とは一線を画すシュールな世界観と、主人公レッドの相棒・ピッピが放つ悲鳴「ギエピー!」は、当時の読者に鮮烈な印象を残しました。長きにわたり連載され、独自のポケモンギャグを確立した作品です。
あらすじ:原作ゲームとは別世界!?レッドとピッピの珍道中
物語の主人公は、ポケモンマスターを目指す少年・レッド。しかし、彼がパートナーに選んだのは、愛くるしい見た目とは裏腹に、ズル賢く、事あるごとにトラブルを巻き起こすポケモン「ピッピ」でした。さらに、レッドのいとこであるピカチュウも加わり、一行の旅は常に予測不能の事態へと発展します。
ジムリーダーとの対決やライバル・グリーンとの競争という冒険の大枠はあるものの、基本的にはピッピの奇行と、それに対するレッドの鋭いツッコミ(物理攻撃含む)が炸裂する1話完結のギャグ作品。私たちがよく知る「スタイリッシュなポケモンバトル」とは異なる、勢いとユーモアに満ちた独自の世界が広がっています。
本作の魅力:愛され続ける3つの理由
- 伝説の悲鳴「ギエピー!」: 本作の代名詞とも言えるのが、ピッピがピンチや衝撃を受けた際に発する「ギエピー!」という悲鳴です。ネットミームとしても定着しているこのフレーズですが、作中でのインパクトは絶大。愛すべきトラブルメーカーとして暴走するピッピの姿は、一度見たら忘れられない個性を放っています。
- 公式も公認の「独自設定」: 原作ゲームの設定を大胆に解釈した「独自設定」も本作の大きな魅力です。ポケモンたちが当たり前のように人間の言葉を話し、時には人間以上の知能を見せることも。ピカチュウが言葉を話さない理由が「天才だから」とされるなど、自由な発想が随所に散りばめられています。
- コロコロ黄金期の「熱量」: 理屈抜きで笑える、勢いのあるギャグセンスは見どころです。90年代後半から00年代にかけての「コロコロコミック」黄金期を支えた熱量は、大人になった今読み返しても色褪せることがありません。緻密な伏線や感動展開よりも、ページをめくるたびに襲いかかるシュールな笑いが、疲れた心を解きほぐしてくれます。
おすすめの読者層:シュールな笑いを求める方へ
- 元コロコロ読者: 小学生時代、コロコロコミックでこの作品を読んで育った世代には特におすすめです。当時の記憶が蘇る懐かしさと、大人視点で読むことで新たに発見できる面白さが、心地よいノスタルジーを提供してくれます。
- 頭を空っぽにして笑いたい人: 複雑な人間関係やシリアスな展開に疲れてしまった時こそ、本作の出番です。難しい理屈は一切不要。勢いと顔芸、そしてパワーワードで押し切るギャグの数々は、日々の息抜きに最適です。
- 「ギエピー」の元ネタを知りたい人: インターネット上で「ギエピー」という言葉を見かけたことはあるけれど、実際に原作を読んだことがない方。伝説のシーンの前後にどのような文脈があったのか、その目で確かめてみてください。想像の斜め上を行く展開が待っています。