『新ルパン三世』とは? アニメ「赤ジャケット」と同時期に描かれたモンキー・パンチの意欲作
1977年から連載が開始された本作は、モンキー・パンチによる不朽の名作『ルパン三世』の正統続編です。TVアニメ『ルパン三世 PART2』と同時期に描かれた、もうひとつの「赤ジャケット」ルパンとして知られていますが、その中身はアニメ版のファミリー路線とは一線を画しています。
モンキー・パンチならではの、大人向けのユーモアとハードボイルドが融合したパワフルな世界観が特徴で、原作コミックでしか味わえないニヒルで粋な魅力が詰まった意欲作です。
あらすじ:銭形警部の罠から始まる痛快な逃走劇
前作のラストから5年の歳月を経て、再び集結することになったルパン一家。しかし、その再会は一筋縄ではいきません。第1話は、ルパンの呼びかけで仲間が集まったと思いきや、実はそれが変装した銭形警部による巧妙な罠だった……という衝撃的な幕開けから始まります。
騙し騙されの痛快な逃走劇を皮切りに、世界中を股にかけた奇想天外なトリックと変装術でターゲットを狙うルパンたち。基本となる一話完結のスタイリッシュな盗劇はもちろん、謎の犯罪組織やライバル怪盗との対決など、バラエティ豊かなエピソードが展開されます。アニメとはまた違った緊張感と、原作ならではのドライな空気感が読者を泥棒たちの宴へと誘います。
『新ルパン三世』の魅力:映画級スケールの「サンフランシスコ編」ほか
アニメとは一味違う「原作ルパン」の世界 TVアニメ版のコミカルで親しみやすいルパン像も魅力的ですが、本作にはモンキー・パンチ作品特有の「毒」と「色気」があります。ハードボイルドなかっこよさと、ナンセンスなギャグが絶妙な緩急で織り交ぜられており、ルパン一味の腐れ縁や絆をよりドライに、かつ深く感じさせるニヒルな読後感を味わえます。
読み応え抜群の長編「サンフランシスコ編」 本作の大きな見どころの一つが、一話完結の枠を超えて描かれる長編エピソードの存在です。特に「サンフランシスコ編」は、まるで一本の映画を見ているかのような壮大なスケールで描かれるアドベンチャー巨編。緻密な伏線と二転三転する展開は、漫画作品としての構成力の高さを存分に感じさせてくれます。
モンキー・パンチ独特のペンタッチ 画面からあふれ出るようなエネルギーと、独特の勢いのあるペンタッチも本作の大きな魅力です。キャラクターの躍動感やアクションシーンの迫力はもちろん、コマ割りや背景の描き込みに至るまで、モンキー・パンチという作家のセンスが遺憾なく発揮されており、ページをめくる手が止まらなくなる没入感を生み出しています。
こんな人におすすめ:アニメPART2世代やハードボイルド好きに
- TVアニメ『ルパン三世 PART2』を見て育った世代 お馴染みの赤いジャケットを着たルパンですが、アニメ版とは異なる「原作ならではの顔」を楽しめます。あの頃夢中になったルパンの、より大人で奥深い一面に触れることができるでしょう。
- ハードボイルドかつコミカルな青年漫画が好きな人 シリアスな緊張感と、突き抜けたナンセンスな笑いが同居する独特の作風は、大人のエンターテインメントとして完成されています。洒落たセリフ回しや粋な演出を求めている方に最適です。
- 一気読みできる完結済みの名作を探している人 全12巻という、長すぎず短すぎない手頃なボリュームで完結しているため、週末の一気読みに最適です。電子書籍であれば、入手困難な過去の名作もすぐに手に入れて読破できるのも大きなメリットです。